片付けの講座をさせていただく中で、最近実家の片付けに困っていますという言葉をよく耳にするようになりました。
そしてその悩みも様々です。
今回はお客様からお聞きしたエピソードもお伝えします。
そして、実家の片付けのコツである「親がまだ若いうちから、一緒に高齢になった時のことを考えてあげながら片付けの準備をすることが重要」という事についてイエノコト代表の淀川がご説明します。
片付けのコツについて
実家の片付けをご説明する前に、まずは一般的な片付けのコツをお伝えします。
片付ける場所はなるべく小さなところからがおすすめです。
まずは使えるものと使えないものにわけ、使えないものはその場でさよならをします。
次に使えるものを「使いたいもの」と「使えるけれど使わないもの」に分けていきます。
「使いたいもの」を動線上に自分の使う量だけ定位置を決めて配置します。
圧倒的に量が少ない方が管理しやすくなります。
残った「使えるけれど使わないもの」ですが、これを動線上に置くのではなく「使えるけれど使わないもの」の部屋を確保して繰り返していくこともしくは「さよなら」をする事をおすすめします。
実家の片付けのエピソードは様々
親が亡くなってお葬式などで子どもたちが忙しい中、親の物を業者任せにして必要な物以外は全て処分するというエピソードを以前お客様から聞きました。
お葬式の後バタバタして忙しい時はあまり感じないのですが、後で「大切な思い出の物まで捨ててしまったのではないか」と思ってしまう方。
「もう少し親が元気なうちに一緒に片付をすれば良かった」とか、「いるものといらないものをきちんと業者に聞いておけば良かった」と後悔をされる方。
また「やっぱり亡くなった親の荷物を何ひとつ処分出来ない」という方。
「お家は借家にして人に貸したいのだけれど庭の盆栽ひとつ処分できない」という方。
こんなお話はまだまだたくさんあります。
親の立場からみた片付け
70歳後半を過ぎると自分の身の回りの物が定位置から動くだけで不安に感じる方が多いようです。
「一緒に片づけてあげるから」と子供さんが言っても「私が死んだら全部処分していいから」と言ってなにもさせてもらえない子供さんたちの声を良く聞きます。
ここで無理に片づけをしたり勝手に捨ててしまうとやはり後々後悔するのは子供たちの方がおおいようです。
高齢になると本人は忘れてしまう事が多くなりますが「やめて」という親の言葉は子供たちの耳にいつまでも残るようです。
「そういえばあの時あんなに嫌がっていたのに・・・」と後悔することがあるようです。
代々守ってきたものを処分する事は本当につらいものがあるとは思いますがそもそも持ちすぎてきたものです。
持ちすぎていたものというのは・・・・
ご両親が若い頃から片付けの準備を
もしできる事なら親がまだまだ若い頃から家族で話し合いながらネットに出して売却をこころみたり、買い取り業者さんに頼んだり親自身が納得して選んで残すものと捨てるものを決めて整理していく事が大切です。
不動産の事、遺言や相続の事、自分自身の介護の事、病気になってもしてほしくない事などをまだまだ親が元気なうちから聞いておくことが大切です。
そしてまた親の方も自分でできなくても子供たちに処分についての具体的な考えを伝えておくと子供たちが苦しまないで済むのです。
また親の方がすでに手放すことが不安になる年齢になっているとしたら処分することに力を注ぎたいところを少しだけ我慢して親との会話を楽しむ時間だと思うことをおすすめします。
片づけると親が暮らしやすいとは思いますが無理矢理は中々難しいとあきらめて、アルバムでも一緒に眺めながら楽しかった昔の事や親の若い頃の知らない話などを聞いてあげるのはどうでしょうか。
そして帰り際に自分が使いたいからとたくさんいただいて帰ってそっと「長い間ありがとう」の言葉を添えて「さよなら」をしてあげる。
そしてそれを繰り返す親との時間を作ることが大切です。
実家の片付けのコツは親がまだ若いうちから、一緒に高齢になった時のことを考えてあげながらやっていくことが無理なくするポイントなのです。